■●労災保険
入らずに済ます事はできるか?
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●労災保険
入らずに済ます事はできるか?

 他の労働保険や社会保険(雇用保険、健康保険、厚生年金)と同じ様に、労災保険には「入る入らないの自由」がありません。人を使う人全てがほぼ例外なく入らなければならないのが労災保険です。

 少しでも経費をケチろうと思ってこの様な労働保険や社会保険に入らずに済ませてしまおうと言う会社も中にはありますが、こと労災保険に関しては、それはとてもヤバいです。
 人を雇う人の最低の責任として、労災保険は強制加入と決められています。ですから他の3保険と比べても、入っていない会社に対してはお役所は厳しく当たります。

 事故が何も起こらなければいいのですが、いつなんどき何が起こるかわからないから「事故」と言うのです。
 もし、未加入で済ませていて、従業員がケガしたり死んでしまったりしたらどうなるか? 賠償責任が事業主に重くのしかかる事になります。保険かけていないのですから、とてもじゃないけど払えません。
「払えないから、それでおしまい」と言うわけにも行きません。もし被災者が労働基準監督署に相談したらどうなるか?「人を雇っているのに、ちゃんと手続取ってないじゃないか」と言う事になり、無理矢理加入させられ、ひとつ前のページで説明した通り、入った後から入る前の事故を補償してくれる代わりに、とても重い特別な保険料を取られ続けられる事になってしまいます。それでも、労災保険使わずに賠償額に押しつぶされるよりはマシなのですが。

 車の運転で「オレは事故らないから大丈夫サ」と言っている人に限って、事故ったりするのと同じです。危機管理のコストとして、労災保険の保険料は当然の出費だと思う様にして下さい。

 建設業では、元請けが労災保険に入る事になっているので、下請け専門な会社は労災保険には入らなくてもいいと言う理屈になります。でも、飛び込みな依頼などで仕事を直受けする事となった場合はもちろんの事、自社の倉庫や作業場での作業中に事故があれば、それは自分の会社での労災になります。
 その様な業務の形であるならば、労災保険には入っておいた方がいいでしょう。もちろん、下請けで働かせた時の賃金は、保険料の計算に入れる必要はありません。



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