■●労災保険
保険料
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●労災保険
保険料

 労災保険は、労働災害が起きた時に事業主が払わなければならない賠償金を肩代わりするための保険であって、従業員のための保険ではありませんから、保険料の全額が会社負担となります。会社と従業員とで保険料が割りカンになる雇用保険(失業保険)や厚生年金や健康保険とは、この点で大きく違います。

 労災保険の保険料は、業種によって細かく決められています。
 山の中でダムを作っている人と、オフィスで机に座っている人とで、保険料が同じでは不公平になるので、過去の「どの業種でどれだけ事故が起きたか」の統計に基づいて保険料が決められています。(業種別保険料一覧

 その上、しょっちゅう事故を起こしている会社と、全く事故を起こさない会社とで同じ保険料では不公平になると言う事で、自動車保険の等級と似た制度が労災保険にはあります。
 これは「メリット制」と呼ばれている制度で、ある程度以上の規模の事業所になると、自動的にこの制度が当てはめられます。(規模が小さな事業所だと、単純な確率論では計算できなくなり、この制度を当てはめるのにはムリがあるので、除かれます)

 その事業所が払った保険料と、その事業所に支給された保険金や給付などを比べて、ある基準を超えると保険金が安くなったり、高くなったりします。割増・割引の幅は、最大で40%にもなります。

 普段の努力の結果、事故が全くなくて最大の割引になっている事業所では、払っている保険料がとても少ないですから、一度大きな事故が起こるとあっけなく割増基準を超えてしまうばかりか、最大の割増になってしまう場合もあるので、油断をしないで下さい。
 また建設業では、割増保険料になるのを嫌がって、元請けの会社が、ケガをした人が所属する下請けの会社に向かって「あんたん所の労災保険で対処してくれ」と言って労災逃れをして、下請けイジメをする例が多く、問題にもなっています。



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