■●労災保険
加入後の手間
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●労災保険
加入後の手間

 労災保険は、普段は手続きしなければならない事はほとんどありません。お金を払う時以外は存在も忘れてしまうほどなのですが、せっかくお金を払っているのですから、使える時には忘れずに使う様にして下さい。

労災保険に入りたい / 保険料の処理 / 年に1度の更新

 労災保険と雇用保険をワンセットひとからげにして、支払いや届出をします。この項目については、「労災&雇用」のページにて説明します。(ひとつ戻って該当のページを選んで下さい)

労災保険から抜けたい

 ほとんど例外のない強制加入ですから、やめる事はできません。

新しく人が入った時 退職した時

 労災保険の場合は、会社まるごと労働者全員に保険がかかりますから、誰が入ったとか、誰がやめたとかの考え方がなく、届出を出す必要も全くありません。単純に、事故が起きた時にその人がここに雇われていたのかどうかだけが、問われる事になります。

事故が起こった時

 小さなケガなら余裕をかましていられますが、重症だとか重体となると、てんてこ舞になると思います。すぐに応急処置をする事、すぐに病院に運ぶ事はもちろんですが、重大な事故となると、労働基準監督署に報告し、警察に連絡して現場検証を受けなければならなくなります。のちのちの示談のために、何がどう起きたのか、把握する必要もあります。
 とにかく一命をとりとめるのが第一ですし、同じケガでもより軽くすませるためには、事故直後にどれだけ機敏に的確に対処できるかが重要になって来ます。事が起こってから慌てる事のない様に、普段から応急処置を学んでおくとか、救急車を呼ぶか車で運ぶか迷わない様にいろんなケースをイメージトレーニングしておくとか、近くの脳外科医を調べておいて電話番号を壁に張り出しておくとかしておいた方がいいでしょう。

 病院での治療費は全額が労災保険からおりますが、かつぎ込んだ先が労災保険を受け付けていない病院であれば、治療費を払って労働基準監督署に請求する事になります。労災保険をやっている病院なら、労災の申請書を病院に渡して治療してもらう事になります(病院が労働基準監督署に直接請求する事になります)。
 事故直後でそんな書類を書いている暇など、もちろんありませんので、書類は後から持って行く事になるのがほとんどだと思います。

 以後、何かの給付を受けるたびに、書類を書く事になります。誰が書く事になるのかを別にしても、ほとんどの書類にそこで雇われていたと言う事と労災である事を証明するための事業主の印が必要になります。ケガが直らないとか寝たきりになったとかで働き手でなくなってしまった人に対して、面倒だと思う気持ちも出て来ますが、のちのち話がこじれないためにも、極力協力をしてあげて下さい。

 労災であるにもかかわらず「自分の健康保険証で病院に行ってネ」と言う会社もありますが、病院でも労災である事は見ればわかりますし、健康保険の方でも何となくわかってしまいます。その様な患者が健康保険証を持って来ても、病院としては「労災隠し」に加担してしまう事になるので、ものすごく嫌がります。何より他の社員に「この会社は労災保険使う気がないのか」と知れ渡ると、社員のやる気がそがれてしまい、ひいてはそれが会社の業績の悪化につながります。
 目先の保険料にとらわれず、長い目で見て、労災隠しをしない様にして下さい。



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