日本の年金の考え方の基本は「みんなには自助と自立でがんばってもらう。でも、それでもどうしようもなくなった時のために、国が助け合いの仕組みを用意しておく」と言うものです。
じゃあ、その「自助」と「自立」ってのは、何なのでしょうか?
書いて字のごとく、「自分を助けるのは自分」「自分の事は自分で何とかしろ〜」って事ですね。
そこで、皆さんは老後はどうやって暮らそうと考えているでしょうか? と言う話になります。
これを読んでいる皆さんの中には、きっとまだまだ若くて、そんな遠い未来の事なんか、考えていない方もいるかも知れません。「今が楽しければ、別にい〜じゃん」と言う人が多いのも、また事実です。でも、将来の事を考えなくても平気なのは、それはあなたがまだ若いからこそなのです。
25歳を過ぎると、何だか無理が利かなくなって来ます。30過ぎると徹夜もつらくなり、40過ぎると体のあちこちにガタが出始めます。つまり、今の調子のまま天寿をまっとうするまで働く(お金を稼ぐ)事なんて、できないのです。
そこでもう一度聞きます。皆さんは老後の生活費をどう考えていますか?
- 子供に面倒見てもらうからいいよ。
- 老後も働くつもりだから大丈夫。
- バッチリ貯金するさ。
- 老後の心配のいらないビッグになるぜ。
- レゲエの末に一人で死にます。誰にも迷惑かけないから。
- 憲法で文化的生活が保証されてるんだから、何とかしてくれるでしょ。
本当にそれで大丈夫ですか?
- 親に優しくしてますか? 親を養っていく気はありますか? 子は親の様子を見て育ちます。自分は親をほったらかしにして、子供には養ってもらおうなんて期待したって、そうは問屋が卸しません。
- 80歳になっても元気でいられるためには、普段からものすごく健康に気を使わなければなりません。ジャンクフードなんか食べてる様では、すでにもう論外です。
- 現に今、あなたの預金通帳は何ケタになっているでしょうか? 車も買わず、ケータイも使わず、外食もせずに、禁欲的にコツコツとお金を貯めているのですか?
- すでにビッグになるための努力を始めていますか? ビッグになる人は、決まって口よりも行動の方が早い人達です。「誰もわかってくれない」とか「チャンスがなかなかない」とか言っている様では、すでに見込みゼロです。
- 着のみ着のまま生きると言うのも、確かにひとつの生き方です。しかしホームレスな人達の世界にも、ちゃんとした社会があり近所づき合いがありルールがあるのです。一人勝手な生活はできません。病気をしたり体が動かなくなったりした時に周囲に迷惑がかかるのは、家持ち家族持ちと同じなのです。
- 行政は、期待したほどの事はしてくれません。それは、皆から集めた大切な税金を使ってほどこしをするからです。「文化的生活」とは、寝るための布団と毎日の食事がある、と言うだけの事。テレビはおろか、扇風機すらない相部屋で暮らす事になります。暑さと、寒さと、暇と、うざいルームメイトと戦う、非常につらい生活が待っています。もちろん、長生きなんてできません。
国が期待しているのは、みんなの自助と自立です。でも、期待したって何ともなんないケースの方が圧倒的多数派なので、「だったら何とかしてあげよう」ってんで、おせっかいをやいてくれている。それが日本の年金制度なんです。