これまでどこかの誰かと通信する時は、手紙を書いて郵便で送るか、相手に直接電話で話したりFAXを送ったりしていました。
それがIT革命でコンピュータが普及した事により、通信の手段が急速に郵便や電話からインターネットへと変わりつつあります。これまでお役所に郵送で送り付けていた届出書もインターネットでも受け付けられる様にしようと言う事で、電子申請の仕組みが整備されて来ました。
しかしインターネットには、郵便や電話とは決定的に違う点がひとつあります。これを知らないと、とんでもない落とし穴にはまってしまうので、注意が必要です。
郵便や電話は、通信の秘密が守られます。通信の秘密は憲法で保証された権利で、郵便局の人や、電話会社の人は、この通信の秘密が確保される様に法律による厳しい縛りがかけられています。
郵便物は、全て郵便局の設備でもって扱われ、郵便局の職員によって戸口まで運ばれます。
電話も、相手の電話機までの全ての経路が、電話会社の設備によって賄われています。
インターネットは、たくさんのコンピュータを網目状に結び、バケツリレー式に情報を送り合う事によって、発信者の送ったファイルを受信者まで届ける仕組みになっています。つながっているコンピュータは実に色々な持ち主のものが入り乱れていて、どの様な経路で相手につながるのかも常に変化していて一定しません。
途中で、どんなコンピュータを中継して、相手に情報が届けられるのかが全くわからないのが、インターネットの一大特徴なのです。
もちろん、中には悪意のある人のコンピュータだってあるでしょう。悪意ある人に乗っ取られてしまったコンピュータだってあります。
インターネットの世界には、通信の秘密など最初から存在しません。広く一般の誰もが自由に使用してもいいと言う事で公開されているシステムなので、たとえ誰かが途中で盗聴していたとしても、誰も文句が言えないのです。
インターネットを利用しようと思っている人は、この点だけはしっかりと理解しておいて下さい。
郵便や電話が、貸し切りの会議室で会話をしている様なものなのに対し、インターネットは、公園で会話をしている様なものとイメージして下さい。
日常会話程度なら公園でもいいのでしょうが、秘密の打ち合せは公園では出来ません。どこの誰が立ち聞きしているかわかったもんじゃありません。
この様なインターネットの特性上、インターネットには常に次の様な危険がつきまとっています。
私達の扱う書類は、他人の権利を発生させる効力を持つ書類ばかりです。だからこそ、免許制になっていて、免許人でなければ取り扱う事が許されていないのです。
その様な重要な書類をインターネットを介してやり取り出来る様にするには、この4大リスクを克服しなければなりません。
つまり、
が担保されなければならないのです。