■年金講座 明治の恩給制度
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年金は本当に破綻するの?〜若者のための年金講座

3.2. 明治の恩給制度

 明治に入ると、現在の年金制度の原形となる、恩給制度がスタートしました。1875年に海軍、1876年に陸軍、1884年に官吏(国家公務員)の恩給制度が創設されています。

 これらの職業には定年があるので、老後の心配をせずに心おきなく働いてもらうために、福利厚生として恩給制度を用意する必要がありました。
 福利厚生と言えば聞こえがいいのですが、要は

  • 死んでも、残された家族は面倒みてやる(遺族年金)
  • 片手片足がなくなっても、死ぬまで面倒みてやる(障害年金)
  • 身体がボロボロになっても、引退後も面倒見てやる(退職年金)
  • だから、心おきなく戦って来い!

と言う意図のものでした。
 これらの過酷な職業には、手厚い福利厚生が必要だったのですね。

 これらの恩給制度は人件費の延長として考えられたので、保険料を集める事もなく、国民からの税金でまかなわれました。全国民に対して恩給の給付を受ける人が少なかったので、税方式でも問題なく運用出来ました。
 恩給制度は「税方式」「賦課方式」「福祉システム」でスタートしたと言う事になります。

One Point

 会社員は企業戦士として日々戦っているので、「心おきなく戦って来い」と言うのは、現在の厚生年金にも通じる所があります。

免責

 扱うテーマが「年金」と言う制度と法律に関するものではあるのですが、概念的な部分を取り上げるため、どうしても厳密さや正確さに欠ける傾向にあります。ですから、何かの判断の参考にする場合や手続きを行う時は、必ず別の情報源でも確かめて下さい。このページの記事により損害が発生しても、補償は一切いたしませんので、あらかじめご了承ください。



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