■年金講座 あなたは第何号被保険者ですか?
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年金は本当に破綻するの?〜若者のための年金講座

2.7. あなたは第何号被保険者ですか?

 日本の公的年金には3つの制度があり、日本に住む人の全員が必ずどれかの制度に加入する事になっています。

国民年金
国民の全員が加入
厚生年金
会社勤めの人が加入
共済年金
公務員や学校の先生が加入
(厚生年金とほぼ同じ制度なので、以下、省略します)

 厚生年金は、給料に比例した保険料を払い、支払った保険料の総額に比例した年金が支給されます。
 国民年金は、月々決まった額の保険料を払い、支払った月数に比例した年金が支給されます。

 日本の年金制度は「二階建て」と言われています。
 厚生年金に加入している人は、同時に国民年金にも加入する事になります。
 年金をもらう時には、国民年金と厚生年金とふたつの制度からお金が支給されます。国民年金で最低額の保証をして、厚生年金で現役時代に稼いだ額に見合った年金が支給されると言ったイメージになります。

図:自営・主婦等は国民年金のみの1階建ですが、会社員等は国民年金と厚生年金の2階建になります。国民年金は定額ですが、厚生年金の額は所得に比例します。国民年金は満額で80万円、厚生年金は最高の人で約220万円、普通の人で約50〜100万円になります。

 厚生年金とは縁のない自営業の人やフリーターの人などは、国民年金だけになって二階部分がないので、その分だけ自助努力をして老後に備えなければなりません。

「私は厚生年金は払っているけど、国民年金なんて払った覚えがないんだが」と疑問に思われる方がいるかも知れません。しかし、心配する必要はありません。
 厚生年金に入っている人の国民年金保険料は、厚生年金制度全体が国民年金制度に対して支払ってくれています。月々の給料から天引きされている厚生年金保険料は、国民年金保険料もコミコミになっていると思ってもらって構いません。
 また、厚生年金に加入している人の配偶者の国民年金保険料についても、厚生年金制度全体が国民年金制度に対して支払ってくれています。月々の厚生年金保険料の中に、妻の国民年金保険料がコミコミになっていると思ってもらって構いません。(ただし、未婚者もそのコストを負担している事になります)

 国民年金は国民全員が加入していますが、この様に国民年金へのかかわり方(加入の仕方や保険料の払い方)に違いがあるので、次の様に呼んで区別しています。

【国民年金の被保険者の種類】
第1号被保険者第2号でも第3号でもない人全員がここに所属。自分で国民年金保険料を払う。
第2号被保険者厚生年金に加入している人。厚生年金を介して間接的に保険料を払っている。
第3号被保険者第2号の人の配偶者。自分では何も払っていない。

注)年齢の塩梅で、厚生年金被保険者なのに第2号被保険者にならない(国民年金の被保険者にならない)人もいます。

 以上「日本の年金は二階建てである」事と「国民年金は国民全員が加入しているが3種類に別れる」事は、年金について考える際に最低限必要な知識となりますので、ここでしっかりと押さえておいて下さい。

One Point

 自分が第何号被保険者になるのかを、今一度確認しておきましょう。

免責

 扱うテーマが「年金」と言う制度と法律に関するものではあるのですが、概念的な部分を取り上げるため、どうしても厳密さや正確さに欠ける傾向にあります。ですから、何かの判断の参考にする場合や手続きを行う時は、必ず別の情報源でも確かめて下さい。このページの記事により損害が発生しても、補償は一切いたしませんので、あらかじめご了承ください。



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