日本の年金は保険のシステムを利用して運用されています。
厚生年金は省略名で、正式には「厚生年金保険」と呼びます。(国民年金は正式名称も「国民年金」で、「国民年金保険」とは呼びません)
では、保険って一体何なのでしょうか?
わかりやすく言い直すと、次の通りとなります。
「ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために」と言うのが保険の精神です。しかし、他人のためと言う点がピンと来ない人が中にはいるかも知れません。そんな人は、次の様に保険をイメージしてみて下さい。これでも、誤りではありません。
保険の世界では、保険料を払っている事が、保険金をもらう事の必須条件となります。
ですから年金でも、保険料を払っている事が、年金の給付(保険金の支給)を受けるための必須条件となります。
しかし、例外がただひとつだけ存在します。
国民年金は、日本に住む人なら20歳になると自動的に加入となります。加入と同時に保険料を払わなければならなくなります。
一方で、障害基礎年金をもらう人は、保険料の支払いが免除されます。
生まれつき、または、若くして障害者になってしまった人も、20歳になると同時に国民年金に加入しますが、加入と同時に障害基礎年金の支給が始まります。一銭も保険料を払っていないのに、保険金をもらう人になってしまうのです。
この例外がひとつあるために、国民年金は、正式名称から「保険」の文字が削除される事となりました。
この様な理由があって「保険」の文字が落ちてしまっているものの、国民年金も厚生年金同様に保険のシステムを利用して運用されている事に違いはありません。
年金が保険システムでなければならない理由はありません。今の所、保険システムに勝るシステムが見つかっていないだけの話です。
20歳前障害のケースの様に、年金が福祉システムを採用する事も不可能ではありません。
扱うテーマが「年金」と言う制度と法律に関するものではあるのですが、概念的な部分を取り上げるため、どうしても厳密さや正確さに欠ける傾向にあります。ですから、何かの判断の参考にする場合や手続きを行う時は、必ず別の情報源でも確かめて下さい。このページの記事により損害が発生しても、補償は一切いたしませんので、あらかじめご了承ください。