■年金講座 自分の老後をイメージしてみましょう
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年金は本当に破綻するの?〜若者のための年金講座

1.2. 自分の老後をイメージしてみましょう

 年金のお勉強をする前に、まずは自分の老後をイメージしてみましょう。

 まだ20代の人達には、難しいかも知れません。でも、そんな人達でも、今後年齢を重ねるにつれ、段々とイメージ出来る様になって行くのではないかと思います。
 30代後半以上の人は、無理してでも自分の老後をイメージする努力をしてみましょう。人生折り返し点に立つ者として、今後の人生を見つめ直すのは大切な事です。
 自分の老後がイメージ出来ない人は、周囲の老人達の様子を観察して、自分の老後と重ね合わせてみて下さい。

 あなたは、めでたく第2の人生を迎える事が出来ました。そんなあなたは、どんな生活を送っているでしょうか?

  • 同居しているのは誰?
  • 生活費はどうしている?
  • 日々何をして暮らしている?
  • 子供はみんな立派に独立し、夫婦水入らずの生活をしているかも知れません。
  • 子や孫に囲まれて、にぎやかな生活をしているかも知れません。
  • 子や伴侶に死に別れ、天涯孤独になってしまっているかも知れません。
  • 伴侶に恵まれる事なく、そのまま老後に突入してしまっているかも知れません。
  • 最後まで勤め上げる事が出来、充分な蓄えで悠々自適な生活をしているかも知れません。
  • 勤務先がことごとく倒産する大変な人生だったため、蓄えが心細くて爪に火を灯す生活かも知れません。
  • 事業に成功し、豪遊しているかも知れません。
  • 事業に失敗し、大量の借金を抱えて四苦八苦しているかも知れません。
  • 災害に遭い、何もかも失っているかも知れません。
  • 年老いてなお、まだまだ元気で、毎日畑を耕しているかも知れません。
  • 病気がちな人生だったため、病院のベッドとお友達になってしまっているかも知れません。
  • 伴侶の介護に明け暮れて、ボロボロな生活になってしまっているかも知れません。
  • 体が辛くて仕方ないのに、仕事がどんどん舞い込んで、苦悩しているかも知れません。
  • 子供たちと同居のため、住む場所の心配がないかも知れません。
  • 家を持つ事が出来たため、少ない生活費でやり繰り出来ているかも知れません。
  • アパートの大家さんが親切で、死ぬまで家賃を据置にしてもらっているかも知れません。
  • 無理して家を建てたため、固定資産税を払うのがギリギリで、家の修繕が全く出来ずに荒れ果てているかも知れません。
  • 住む所がなく、市町村の施設に入っているかも知れません。

 以上、色々なケースを列挙してみました。
 どのケースに収まるかは、その人の努力次第でしょう。
 しかし、よく見ると、努力だけではどうしようもないケースもたくさんあります。

 どれだけ前向きに生きていても、「運が悪かった」「努力の余地がなかった」ために、老後の生活が立ち行かなくなる事だって往々にあります。
 しかし、生活出来ないからと言って、生活をやめる(=死ぬ)訳には行きません。
 そんな時は、一体誰を頼りにしたらいいのでしょう?

  • 子供や血縁者でしょうか?
  • ご近所さんや地域でしょか?
  • 市町村や国などの行政でしょうか?

 老後も幸せに暮らすためには、もちろん日々の人生の送り方が大きく関係して来るでしょう。それにプラスして、この国がどんな世の中なら安心なのかと言う事も大きく関係して来ます。
 年金は、そんな国民の声に応えるために国が作り上げた、セーフティネットのひとつです。しかし今は、その年金自体の信頼が揺らいでいます。どうしてなのでしょう?

 あなたは、どんな老後を迎えたいですか?
 この本の最後で、もう一度、今回と同じ質問をいたします。

One Point

 小泉首相の言う通り「人生いろいろ」なのです。でも、先に結果を知る事は出来ません。

免責

 扱うテーマが「年金」と言う制度と法律に関するものではあるのですが、概念的な部分を取り上げるため、どうしても厳密さや正確さに欠ける傾向にあります。ですから、何かの判断の参考にする場合や手続きを行う時は、必ず別の情報源でも確かめて下さい。このページの記事により損害が発生しても、補償は一切いたしませんので、あらかじめご了承ください。



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