2003-09-14

ツバメくん育児日記

ご注意
 この日記は、その時々の気持ちや考えや、その時点で知ったり想像したりした事についてつづったものなので、正確な情報や処置や対処とは食い違っている記述も含んでいます。充分ご注意下さい。
 日記に書かれている事を鵜呑みにしてしまわないためにも、このサイトの他のページにも目を通していただければと思います。

3日目 8月25日

 Webでツバメの飼育法を調べていると、よく目にするのが「巣立ちヒナを保護しないで!」の文字です。
 巣立ち直後のヒナは、上手く飛べないため、地面にはいつくばっているものの、親鳥の保護のもと飛行訓練をしているのだから、そんなヒナを保護してしまうと、それは保護ではなくてら致誘拐になってしまう、と言う事の様です。
 それに、ケガをしたヒナは、それは野生で生きて行くのには失格してしまった命であって、他の命の食料になると言う大切な使命があるので、そう言う鳥も保護するのはよろしくない、と言うのもあるみたいです。
 だから、問い合わせの電話で、やっぱり説教されてしまいます。

 ツバメ君(やがては放鳥するつもりなので、命名しない事にしました)は、朝は遅起きです。7時頃まで起きません。起きての食事はミルワーム19匹でした。
 そして、いつもヤマトが世話になっている病院に電話をしてみます。ひとしきり説教された後、やはり鳥は専門外で応急処置しかできないとの事。鳥に詳しい医者を紹介してくれないかと聞いたら、隣の市の病院を教えてくれました。う〜む、ちょっと遠い。
 次いで、愛知県自然環境課に電話してみました。やはりひとしきり説教され、県民が野鳥を保護した時のため県と契約している医者の中から、近所のものを紹介 してくれたのですが、どれもこれも聞いた事のある名前ばかり。鳥の専門家と言う観点からのリストはないみたいです。医者に見せた後の今後の事も相談してみたのですが、愛知県で野鳥を受け入れて保護する施設である弥富野鳥園は、先週の段階でほぼ満室状態らしいのです。みんな、考える事が同じみたいで、だから「巣立ちヒナは保護するな」キャンペーンをやっているのでしょうね。育てられそうになくなったら、また相談して下さいと言われて、電話を切りました。

 昼にまたおねだりされたので、小児用リコリス(子供用のビタミン剤)につけたミルワームを与えました。この時は5匹しか口にしなかった…

 さっきの病院が紹介してくれた、鳥に詳しい先生ですが、ネットで調べてみたら出て来ました。ただし、鳥部門を受け持っていた先生が独立開業して(カルミア小鳥の病院)、名古屋市内に引っ越しているとの事。う〜ん、もっと遠くなっちゃった。
 でも、鳥に関してはどうも、有名な先生らしいです。他には調べ様もなかったので、ツバメ君を連れて車で走りました。
 大変若い女性の先生でしたが、鳥に対しての情熱はすごいみたいです。そして、畜主の方々も、やっぱり鳥への情熱がすごい。我々猫好きが猫好き先生を慕って信頼して集まって来るのと、同じなのですね。
 診察の結果、左足のももの骨が骨折していました。しかし、もう治りかけているとの事。普通、4〜5日はかかるそうなので、落下したのが23日だとしても治りはちょっと早すぎって感じだそうです。もしかしたら、22日か、それ以前に落下して骨折したのかも知れません。あと3〜4日は絶対安静にすれば、くっつくでしょう、との事でした。ただし、神経が切れてしまったのか、復活するのか(二本足に戻れるのかどうか)は、治ってみない事にはわからないとの事。かなりいい状態でくっつきかけているので、処置は何もなしでした。
 ただし、体重がとても軽く、体の大きさもとても小さい、と言う事を指摘されました。胸板の肉付きも大変わるく、はっきり言ってガリガリやせ状態。骨折よりもそちらの方が大問題なのだそうで、とにかく太らせなければならないと言う事で、食事についてみっちりレクチャーを受けました。現在12gですが、これが16g程度なら、当面の問題はなくなるそうです。片足でも野生で生き抜くには20g位は必要かとも。
 それから、かなり寒がっている様だから、保温しないとヤバイ、とも伝えられました。どうりて、手のひらに乗せると落ち着くんですね。ツバメのヒナの適温は30℃だそうです。夏でも保温や暖房は必要らしい。

 食べさせる様にと言われても、昨日の晩と今朝に鬼の様に食べた以後は、全然食べてくれなくなってしまいました。困ったもんです。
 病院の中で2匹。夕刻に5匹、夜に2匹口にしました。何か、口にした後で、吐き出しているみたいなんです。ミルワームに飽きたのか、体調が優れないのか、何なのでしょうか? 結局、今日の総量は33匹。ほかの方のツバメ飼育記録を見てみると、日に80匹は軽く食べる様なので、はっきり言ってこんなんでは太るどころか命にかかわります。

 先生によると、ミルワームは養殖なので栄養がほとんどないそうです。脂が乗っているので、カロリーはかなりあるそうなのですが。だからWebで調べると、ミルワームで栄養障害になる、と言う話がいっぱい出て来るのですね。昆虫をひたすら集めて与えなければならないと言われました。それから、栄養不足を補うためにドックフードにカルシウム剤をまぶして水でふやかして与えなさい、とも。
 で、ヤマトの食器からキャットフードを拝借して、買ってきたカルシウム剤をまぶしてふやかしたものを作りました。でも、食べてくれない…。食が細いのがとても心配なので、昨日断念した強制給餌をもう一度試してみました。
 くちばしの両わき、黄色い部分を両方から押すと、くちばしが開きました。なるほどそう言う理屈なのね。それで、無理矢理特製キャットフードを押し込みました。大変嫌がるものの、のどの奥まで入ってしまった分だけは食べている様です。わずかですが、食べてもらえました。

 ネットでさらに食事について調べていて、ミルワームについて色々な工夫の余地がある事がわかりました。栄養が足らないのなら、補えばいい、と言う事みたい。
 まず、ミルワームをビタミン剤につけて、漬け込みにすると言う方法がありました。ひと晩つけると、ミルワームのビタミン漬物ができあがるそうです。ミルワームが絶命してしまうので、活きのいいのしか口にしない子にはダメらしいのですが、やってみる価値はありそう。
 もうひとつは、ミルワームは麦のフスマで育っているのですが、そのエサを栄養豊富にすれば、ミルワーム自体も栄養豊富になる、と言う事らしいです。ドックフードをエサにすればよい、とあったので、残っているミルワームをキャットフードを入れた容器に引っ越しさせてみました。さて、結果はどうなるでしょう?


<2日目4日目>