2003-12-01

中山道てくてく紀行 16日目

H14.07/27 日出塩→洗馬→平沢→日出塩

電車と地図に振り回される

 いい気分で寝ていたら木曽平沢駅を過ぎていました………

 慌てて降りた駅が日出塩駅でした。しかも、対向の電車が2時間半も来ない………

 ただ電車を待つのも何だから、周囲を散策する事にしました。
 まず、本山一里塚を越えた所にある、釜之沢の通行不能部分。「中山道の歩き方」では、ヤブ扱ぎすれば何とか通れるとなっているので、見に行きました。しかし、旧道は跡形もなく消えていました。
 続く関沢も見てみます。地図では旧道がたどれるとなっているのですが、道がありません。

 とか言っているうちに、本山宿にたどり着いていました。
 本山そばの里は、一見、食事ができる様な施設には見えなかったので、横目で見ながら素通りしてしまいました。
 ただの散策だったのに、すでに本山宿の外れまで来てしまいました。引き返すのもおっくうです。電車の時間まであと1時間半。洗馬宿まで歩けそうな予感。と言うわけで、そのままウォーキング続行となりました。

「中山道の歩き方」では本山−洗馬間は7.9kmとなっているものの、これは確か誤植だったと言う記憶があります。しかし、確証がありません。もしも、電車の時間までに駅まで歩けなかったら、またもや大笑い。歩きながら、J-SkyでGoogleしてみました。検索に手間取ったものの、3.3kmとわかって、ひと安心。
 調べ終わって間もなく、洗馬宿へ着いてしまいました。調べる必要もないほどに近かったのですね。

 中山道と善光寺街道との追分を見ておこうと思って、宿場の外れまで行きました。
 追分にある看板によると「本物の追分は50m先にある。碑は大火の後の道路整備の際にここに移設したものだ」と書いてあるではありませんか。で、その50m先に行ってみました。そこには、升形の角にものすごくでかい常夜灯が立っていました。これだけ大きく立派な常夜灯は、見た事がないので珍しいです。中山道はそこから升形を経て、新道に接続している模様。地図ではその様には書かれていません。「中山道の歩き方」は、どうもこの周辺は調査が甘いみたいです。
 そのまま升形を通り新道から引き返そうと思ったら、常夜灯が敷地の一部になっている家から人が出て来て呼び止められました。常夜灯の由来について、いっぱい話を聞かせてくれましたが、電車の時間が迫って来たので、話途中で礼を言って、慌てて引き返す事に。
 その家は民宿もやっているそうなので、皆さん、泊まってあげて下さい。

 電車で、洗馬駅から平沢駅へと戻ります。

 [photo]
【 間の宿 平沢 】

 以前、平沢へ来た時は、ものすごい数の人出でごった返していたのですが、今回はいつもの街道筋のいつもの風景で、静かでした。街並みはかなり古く、その辺の宿場よりも、ずっと江戸っぽい風景をしています。漆器の街として今日まで頑張って来たと言う事でしょう。
 平沢で昼食を摂るつもりだったのですが、それらしい店はなかったので、そのまま先へ進む事にしました。

<昼食>
 道の駅・木曽ならかわでおそばをいただきました。そば処であるにもかかわらず、観光地品質の観光地値段にぼう然としてしまいました。大変美味な事には違いはないのですが、「これなら自宅でも味の再現は出来るな」と言うのが感想です。今回は通りすがりにいくらでもでも食事処があったので、そんな中、道の駅を選択した事に後悔をしてしまいました。

 この先所々、足許に地面がない様な絶壁の歩道を歩く事が何度もあり「絶対にここが街道ルートだったはずがない」と思ったもんです。この様な絶壁な場所は山の中へと街道がう回するのが定石なのですが、地図はその様にはなっていません。調査不足なのかな? 怪しいです。
 ほどなく桃岡橋を過ぎ、国道をそれるのですが、道はいきなり林の中へ。道を間違えたのかと不安になりましたが、ほどなく国道切り通し上の仮設歩道に出て、そのままたどると倒産した巨大漆器店の敷地に出ました。そこから国道に戻って、線路をまたぐ跨線橋を捜します。
 が、ここで道に迷いました。
 正解は、該当の跨線橋は地図で示された場所よりもずっと手前でした。水準点を過ぎてほどなく現れる最初の跨線橋を渡ります。

 贄川宿を過ぎ、関所跡から先の通行不能部分がどうなっているのか、ちょっと確かめに踏み入ってみました。今回は何度も地図の間違いに遭っているので、ここまで来ると最初から疑ってかかってしまいます。
 でも、今度は地図が正しいみたい。それらしき道は見えるのですが、どうやら本当に途中で消失しているっぽいです。

 駅前の公園に東屋を発見したので、一服しました。
 で、贄川駅付近の通行不能部分ですが、ここは国道など通らずに東海北陸自然歩道を通った方がずっとお利口です。私も途中でそれに気がつきました。「桜沢方面」の看板がいたる所に出ているので、それをたどります。木陰が多くて、ホッとします。ほどなくして、街道は自然歩道と合流します。
 街道は国道に合流し、ほどなくするとまたも通行不能に。崖の上に道らしきものは見えているのですが、登り口が見つかりません。で、地図の通り国道でう回します。でも、そのう回ルート上に茶屋本陣があるのが、とても不思議でなりません。
 茶屋本陣を過ぎてすぐ、馬頭観音から山の中に分け入ると、そこには廃止された鉄道トンネルがありました。先が見えず中は漆黒、しかもすでに崩落しかかっているのて、中に入るのは危険そうです。トンネルの入り口から後ろを振り返ると、線路跡が道として続いていました。どうやらこれが、先程見た崖上の道で、しかもそれが中山道らしいです。

 トンネルの脇に街道が続いています。落石防護フェンスの続く崖っぷちを通り、畑を通って、つづら折りを下りると、そこに木曽路碑がありました。東屋があったので、また休憩です。
 が、電車の時間まであと1時間もないので、ゆっくりとはせずに、日出塩駅へと向かいました。

 で、今朝の場所に戻って来たのですが、J-Skyで電車の接続を調べてみると、次の電車に乗っても、乗換駅での接続がダメダメとの事。さらに1時間後の電車に乗っても、到着時刻が同じだったので、げんなりしながら、逆方向の塩尻に向かい、塩尻駅で時間をつぶして、帰途に就きました。
 電車の時刻と、地図の不正確さに振り回された一日でした。

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