2003-07-15

中山道てくてく紀行 5日目

H14.05/25 加納→赤坂

川づくしの一日

 加納宿の西の外れ、岐阜駅前から延びる道と中山道の交差点がこの日のスタート地点となるわけですが、その前におにぎり専門店で朝食をいただいたため、その分スタートが出遅れてしまいました。

 岐阜市街がとぎれ始めると、そこは週末の静かな住宅街が続いていました。途中、中山道は用水路の様な川沿いを通る様になるのですが、それほど澄んでいるとも言えない水の中に、鯉がいっぱい泳いでいるのを見ながら歩を進めました。
 そのうち河渡橋の土手に突き当たります。「中山道の歩き方」の地図では、ここは側道を北進してから堤防道を南進して橋のたもとへ行く様にう回路が書かれているのですが、そんな面倒な事はせずに土手を駆け上がれば、いきなり橋のたもとにたどり着きます。
 そして、長良川を歩いて渡りました。

 [photo]
【 長良川・河渡の渡 】

 この時は気がつかずに後から知った事ですが、この様な巨大な河は、川筋がしょっちゅう変化するため、今見ている河のルートや範囲が江戸時代も同じだったかと言うと必ずしもそうではないらしいのです。昭和に入って、堤防で川筋を固定して、初めて今の姿になったと言う事なんです。
 河渡宿は、本当に何もない所でした。ポケットパークは碑石を集めただけの場所で、碑石に腰掛けるわけにも行きません。杵築神社が林になっているのが見えたので、そこで休憩しようと思ったのですが、いくら探しても入口が見つからない。と言う事で、休憩を断念して先へ行く事にしました。

 代わりの休憩ポイントとして、街道から少し外れて神明神社へと向かいました。どうも最近整備されたばかりのピカピカの状態で、区画整理か何かで土地が削られたのでしょうか?
 本田立場跡あたりから、道は商工業地域から田んぼ道になって行きます。しばらく田んぼが続いたかと思うといきなり集落に入りました。その集落が美江寺宿と言うわけです。
 美江寺宿も特に何もない普通の集落でした。宿場らしいものがないだけでなく、ここで食事を摂るつもりでいたのに、お店屋さんも全然なくて、どうしたもんだか悩んでしまいました。
 仕方がないのでそのまま進みます。街道は川沿いを通る様になります。が、この川、とても水量があるだけでなく、川面と道との高低差がほとんどないのです。これで大水になったらどうなってしまうのだろうとか考えてしまいました。やがて巣南町の役場に出たので、役場の中に入り、ちょっと涼むと同時にトイレを借りました。

<昼食>
 巣南町役場の隣に居酒屋がありますが、普通の食事が普通の値段でできるかどうかが、ちょっとわからなかったので、敬遠してしまいました。役場の正面に喫茶店があったので、そちらを選んで入店。土曜日なのにランチをやっていたので注文しました。幕の内的なお弁当スタイルだったのですが、さすが、役場職員の胃袋になっている店だけあって、昼食にはかなりのこだわりがあるみたいです。日曜日にランチがあるのかどうかは、ちょっと不明です。

 役場から先もずっと田んぼ道が続きます。やがて街道は揖斐川の土手に突き当たりました。
 橋を渡る時に、ここが渡し場なのだろうと思って写真を撮りました、が、これが結局は大間違い。
 橋を渡り切った対岸が、まるで宿場街の様なたたずまいを見せていました。旧家が並び、道はくねくねと升形になっています。渡し場として栄えた集落なのでしょう。その集落の外れに小簾公園があります。その小簾公園の説明板を読んでみると………ここは渡し場跡を公園にしたものだとなっているではあ〜りませんか。公園の東側はバッチリ集落なので、つまり、揖斐川はここから西側を流れていたと言う事になるわけです。さっきは、かつては野原だった場所を写真に撮ってしまったと言う事なのです。

 で、かつて揖斐川だった所を歩いて通り、支線の川を渡り、揖斐川の氾濫が大垣に流れない様にしている堤防に出ます。その堤防の土手を登り、堤防道を行き、西側に降りて、………道に迷いました。完全に現在地を見失ってしまい、周囲をうろうろするハメに。
 30分ほど歩きながら悩んだ末、堤防下の道をそのまま行く事にし、やがて地図にある高圧線を未だ越えていない事に気がつきました。そのうちに、歩道の上に立つ、つい最近建てられたであろう中山道の道標を発見して、この道が正しい事がわかりました。この周辺、地図とは地形が変わってしまっているのですが、皆さんは迷わず、道標を見つけるまでは堤防沿いを進んで下さい。

 再び道は田んぼ道となり、いくつもの水路を越え、七曲り半を抜け、赤坂港跡に到着します。国道の橋の下に、荷揚げのための設備があるのですが、使われなくなって久しいため、すでにボロボロ。そこから1ブロック行った所に、きれいに観光整備されたもうひとつの赤坂港跡がありました。
 非常にごちゃごちゃした街並みの赤坂宿に入り、今日はここまで。川づくしの1日でした。電車の時間まで間があるので、宿内をあちこち散策し、美濃赤坂駅から帰途につきました。

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