2004-02-10

PC-9821V200

 そのマシンがうちに来た時には、システムが立ち上がりもしないと言うすごい状態になっていました。どうやら出たばかりのWindows98をインストールしてみたものの、起動途中で正体を見失う状態になってしまい、どうでもいいやって感じで放り出された様子でした。クリーンインストールではなく、アップグレードをしたのではないかと、今になればわかるのですが、当時はそんな事知るよしもありません。(アップグレード=旧Windowsの設定類をそのまま引き継ぐ→旧Windowsと新Windowsの合の子の様な怪しげな状態のシステムができあがってしまう。だから最近、市販ソフトで「アップグレードしたWindowsは動作対象外」と書かれていたりします)
 システムが完全に×なので、まずはバックアップCD-ROMを使って購入時の状態に戻す事から始めます。何度かやってみた後に、ディスクを今までのちまきの慣習通りにシステムとユーザー用に2つに割る事にしました。
 所が、システムの方のディスクが狭くて仕方ありません。最近のパソコンの様に勝手に後ろでうごめいているソフトと言うのは当時は今ほど多くなかったのですが、最初から入っているソフトがてんこ盛りになっているのは今と大差がありません。ひとつひとつ使ってみて「こんなもん、いらんわ〜っ!」と言いながら、フォルダごと削除をして行きました。アンインストールと言うのを、まだ知らなかった辺りがすごいと言うか、それでシステムがおかしくならなかった所が、当時のWindowsはまだまだおおらかだったのかも知れません。
 最終的に残ったのは「翻訳アダプター」「テキストリーダー」「駅すぱあと」位でしょうか。その駅すぱあとだって「名阪間を検索するのに、どうして近鉄を使わない? 大阪まで新幹線なんて誰も乗らんぞ!」と文句たらたら状態。もっともこれは、今でも、どの乗り換え検索ソフトでも、なぜか変わっていないのだけど。

 そうして、ざっくり色々な物を削除してしまったWindows95 OSR2.1は、PC-9821V200にとって不思議な位に安定した軽快なシステムとなってくれたのです。そのために未だにこのWindowsが手放せないのです。

 MS-IMEはほんの1週間で嫌気が差して、Windows用のEGBridgeを買って来ました。
 Wordはあまりにも日本人離れした設計思想に嫌気が差して、結局OASYSを使い続ける事になります。
 対するメモ帳がやはり最小限の機能しかなくて不便なので、Windows用のMIFESを買って来ました。
 Windowsでも自分に必要なツールは自分で作るぞと買って来たVisual Basic6は、これはかなり役に立ちました。小間物をいくつも作ったもので、それらのプログラムは今でもよく使っています。
 ブラウザはVisual Basic6のオマケにInternet Explorer4がついていたものの使う事もなく、普通の通信ソフト(文字だけの画面で、ホストとのやり取りを全て人間が自分で行うもの)は見当たらなかった(最近になって、TelNetが、それだったと気がつく)ので、モデムカードに電話線をつなぐ事も全くありませんでした。その上モデムカードは何かとリソース競合が起きているらしく、その原因を突き止めない事には使う事ができませんでした。

もらわれて来た時のPC-9821V200の状態
本体PC9821V200M7D2Pentium MMX 200MHz
内蔵HD3GB標準品
メモリーSIMM 32MB×2 DIMM 64MB×132MBが標準? 32→96→128と拡張?
モニターNEC D17A1標準品 17インチ
スピーカーPIONEER MPC-PS500標準品ではない
キーボードSANWA SUPPLY SKB-9895標準品ではない
モデムカード標準品 Cバス
音源カード標準品 Cバス
ビデオカードI-O DATA GA-DRV4/98後付け Cバス TGUi9680搭載 4MB
標準品 専用バス MGA-1064SG搭載 2MB
ビデオキャプチャーカードI-O DATA GV-BCTV2/PCI後付け PCIバス
SCSIカードI-O DATA SC-PCI後付け PCIバス
MOI-O DATA MOF-230後付け SCSI 230MB
OS起動しないWindows98(標準はWindows95OSR2.1)
その他CD-ROM×1 FD×1 マウス マイク標準品

 うちに来た当初は、この状態のまま使っていました。PC-9801NS/Aで使っていたハードディスク(260MB)をSCSIにつないで、今までのデータをそのまま使える様にしていました。
 PC-9801シリーズのおそらく最後の機種を、おそらくつけれるものはみんなつけた状態になっていたのではないかと思います。
 特に、メモリーがフル装備(128MB)になっていたために、今でも現役で長〜く使えているのではないでしょうか。

 変化が現れたのは、2001年になってからです。
 Sky Photo Padを買い、スマートメディアを使う様になって、パソコンでも読み書きできれば便利かなと思ってRATOCのREX-SMA03を買って来て、PC-9821V200のUSBにつなごうとしたのです。「Windows95のUSBに未対応のハードが多数派」とか「PC-9821V166/V200シリーズのUSBは、USB規格が正式なものになる前のものなので、使えるかどうかは運次第」と言うのは知っていました。運次第だから賭けてみる事にして、見事に惨敗したのです。
 この時、誤ってWindows95のシステムファイルのいくつかを消してしまい、大変な不安定状態になってしまったので、慌てて会社からWindows98SEのCD-ROMをかっぱらって来て、緊急避難的に一時期Windows98SEに移行します。
 どうにもこうにも安定しないので、あーだこーだといじくっているうちに、今まで皆目見当もつかなかった(バックアップCD-ROMからの復元ではなく)Windows95のクリーンインストールの方法を発見する事ができ、何も入れていない素の状態のWindows95OSR2.1をセットアップする事に成功しました。ついでに、PC-9801独特の、立上ディスクが必ずドライブAになる(WindowsはA:\WINDOWS\に入る)のではなく、現在の大半のパソコンと同じ様に、ハードディスクの1番目はドライブCになる(WindowsはC:\WINDOWS\に入る)様にセットアップする方法も見つけました。
 こうまで大々的に環境が変わるなら、データも何もかも最初からパソコンの環境を一から見直そうと考えました。

 相前後して、WindowsMEが発売されましたが、これはPC-9801シリーズは未対応と言う事になっていました。つまり、PC-9821V200で使えるのはWindows2000が最後と言う事になります。そこで、早速Windows2000を買って来ました。
 Windows95も便利に使えているので、デュアルブート(どちらも使える状態)にしました。ディスクが3GBしかないので、どちらも同じCドライブに入れる、禁断の環境にセットアップする事にしました(よいこはまねしてはいけませんよ)。
 Windows2000では、ちゃんとモデムカードを認識してくれたので、この頃からインターネットをする様になりました。しかし、数ヶ月でISDNに切り替えたので、モデムカードは抜いてしまいました。
 今まで16色モードでしか使っていなかったし(つまり、ビデオカードは2MBしか使っていなかった)、Windows2000ではCバスにつなぐカード類の大半は未対応だったので、4MBのビデオカードは抜いてしまいました。同時に、一度も使った事がないビデオキャプチャーカードも外しました。
 SANWAのキーボードがWindows2000に未対応と言う事で、PC-9801RXのキーボードをつないで使っていたのですが、ある日突然、Windows2000でそのキーボードもほとんど使えない状態になってしまいました。(それでもパソコンが使えてしまうと言うのは、デュアルブートのありがたい所です)改めて調べてみると、どうもPC-9801RXの頃のキーボードとPC-9821V200の頃のキーボードとは型番が違うらしい、んで、PC-9801RXの頃のキーボードもWindows2000に未対応らしい、と言う事がわかって来ました。慌てて前のオーナーに連絡して「オリジナルのキーボードある?」と聞いたら「そんなものは、ない」と言われてしまったので、HARD OFFまで行って、ジャンク品をほじくり返して来ました。

 こうもハード的な部分で色々と手に入りにくくなって来ていると言う事は、PC-9821V200に付くハードも、まもなくするとほとんど入手困難になるだろうなと直感したので、今のうちにできる事はみなやっておこうと考えました。
 まずはCPU。I-O DATAのPK-K6H400/98が値崩れを起こしている時だったので、押さえました。残念ながらK6-IIIは手に入れそこないましたが、これでK6-2で、クロックは倍です。
 次にメモリー。フル装備だったのですが、SIMMとDIMMの混載だったので、SIMMにタイミングを合わせるためにDIMMは本来のスピードを出してくれてはいません。で、PC-9821V200用のDIMM(かなり特殊)を探したのですが、中古品でも「うぅむ、高い!」状態だったので、断念しました。
 外付けのディスク類については、SCSIもあるし、USBもあるから心配なさそう。
 内蔵のハードディスクには、8.2GBまでと言う制限があるのですが、これはひょっとして時期を逸してしまった可能性があります。ひと頃、容量が小さいと言う事で値崩れしていた様ですが、今では希少価値でかえって高価になってしまっています。
 マウスは、うちに来た知人が「コロコロマウスでないので、使いにくい」と文句をたれたので、Windows95でPC-9801シリーズで使えるホイールマウスを根性で探して来て、根性でつけました。今のマウスに出会うまでに、何度もマウスを買って来ては、何度もシステムをぐちゃぐちゃにしました。唯一、Windows95対応のUSBマウスを出していたArvelと言う会社は、ひょっとしたらすごいのかも知れません。

 その後、2003年にGateway Select Proのハードディスク2基のうちの片方が飛んでしまい、修理交換した所、4倍の容量になって返って来たので、生きている方の1基をGatewayから外してPC-9821V200に入れてやりました。
 最初のうちは、Gatewayで10GBでフォーマットしてからPC-9821V200に入れてやり、8.2GBの制限を回避して使っていたのですが、そのうち、こちらのディスクの方にWindows2000を入れたくなり、インストールしてみた所「サイズ不正」と拒否されてしまったので、8.2GBでフォーマットし直してしまいました。

現在のPC-9821V200の状態
本体PC9821V200M7D2 
CPUI-O DATA PK-K6H400/98AMD K6-2 400MHz
内蔵HD3GB標準品
10GB8.2GBとして使用 牛くんのお下がり
メモリーSIMM 32MB×2 DIMM 64MB×1 
モニターNEC D17A1標準品
スピーカーTEAC の1,500円のもの 
aDSLモデムNEC D202CLAN接続 レンタル品
音源カード標準品 Cバス
ビデオカード標準品 専用バス MGA-1064SG搭載 2MB
LANカードI-O DATA ET100-PCI-SPCIバス 10BASE-T/100BASE-TX
SCSIカードI-O DATA SC-PCIPCIバス
MOI-O DATA MOF-230SCSI 230MB
OSWindows95OSR2.1/Windows2000Proデュアルブート
マウスArvel WSM-USBUSB接続 ホイールマウス
その他CD-ROM×1 FD×1 キーボード標準品

 他人から無料で譲ってもらったパソコンを、こうも長年に渡り、こうも使い潰そうなどとは、かなりの貧乏性なのでしょうね。元のオーナーも、きっとかなり悔しいに違いありません。
 牛くん(GATEWAY Athlon 950MHz)がやって来た今でも、PC-9821V200の方がはるかに使用時間が長いです。
 スピード的には、Windows95でもWindows2000でも不満は全くありません。しかし、さすがに数百kB/sのビデオの再生は無理の様で、Real Playerは削除してしまいました。Media Playerなら、まだかろうじて使えます。