2007-04-04

OASYS Pocket

OAPK-J
出逢 発売 メーカ CPU Clock Memory
1991 1991 FUJITSU μPD70320-8
(V25)
8MHz 256kB

 ちまきは通勤電車の中だろうが夜行バスの中だろうが、豆ノートに鉛筆を走らせて小説を執筆していたので、こう言う小型ワープロが出ると言う話を耳にした時には、何の迷いもなく買い求める事となりました。
 カトー無線本店から身請けをし、念願の小型ワープロが一体どんな作りになっているのか興味があったので、さっそくドライバーを当てる事となります。ひとしきり中身を観賞した後に組み直すと「バックアップ電源断」の表示をしてシステムが立ち上がらない…。
 カタログにも取扱説明書にも、「システムはROMであるため起動が早い」とうたわれていたのですが、どうもそれがウソだった様です。システムはSRAMに乗っており、分解した事によって電源供給が止まり、タダの箱になってしまったと言う始末。まだ一度も電源を入れていないのに、サービス送りになってしまいました。
 その他にも、世界初の製品の、しかも初期ロットだったせいなのか、普通に使っていても何度も静電気に当てやられてサービス送りになり、基盤交換を繰り返しました。あげくのはてに、カトー無線本店のフロア長が激怒してしまい、メーカーにクレームをつけて新品交換に。こうしてやって来た2号機は、今までの1号機のか弱さがウソの様に、不具合ひとつなく現在に至っています。…ただし、何年かに一度は「バックアップ電源断」になってしまい(取扱説明書にある「バックアップ電池の警告」が出る事もなく、静かにシステムがいなくなる)その都度富士通のサービスまで行ってシステム注入をしてもらっていますが。

 液晶は、かなり明るいです。夜行バスの読書灯でも、不自由なく執筆ができました。キーボードの大きさも作りも、ブラインドタッチができる限界の設計で、この辺の使い勝手もとことん研究し尽くされているなと実感しました。こんな小さな体にOASYSの機能のあらかたが入っている事に、ひたすらカルチャーショックだった覚えがあります。
 動作はとてもとろとろとしているのですが、それでも単に打ち込みをしているだけなら、実用上問題はありませんでした。ただし、編集とか印刷とかの、打ち込み以外の仕事となると、遅いわ電池食うわでどうしようもなく、結局は打った文章をRS-232C経由でFM77AVに送ってFM77AVで処理をしていました。
 このOASYS Pocketシリーズは、OASYS Pocket2、OASYS Pocket3と進むにつれ、速度も容量も増し、電子手帳っぽい機能もつき、電池も長持ちする様になり、重さも軽くなり(いい事づくめじゃないか!)かなり洗練されたマシンになって行ったのですが、ちまきとしては初代OASYS Pocketにさほど不満もなかったので、長く長くこのマシンを使い続ける事となりました。


バックアップ電源断の対処方法


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