2002-06-07

OASYS LX-4500

OALX4500J
出逢 発売 メーカ CPU Clock Memory
1997 1996 FUJITSU VM867S
(16bit CISC)
50MHz 3MB

 OASYSは、最初はOASYS 30AXから使い始めて、OASYS Pocket、OASYS 30ADと使って来たのですが、これらは全て48dotフォントなのでした。
 今回、OASYS 30ADの代替機として求めたのは、今まで蓄えてきた資源を利用できると言う事だったので、機種選定には悩みました。だって、いつの間にかOASYSは60dotフォントの時代になっていたのですから。
 ベクトルフォントは、そのまま使えるからいいのですが、48dotフォントを60dot系の機械ではたして使えるのかどうか、使えたとしてもはたしてどれ位見てくれが悪くなるのか、それが大変心配だったのです。使えたとしても、48dotを60dotにする場合は、整数倍で済む様な簡単な関係でないので、理屈上はかなり見てくれが悪くなるはずなのです。カタログにはドットフォントは60dotでなければダメだみたいな事まで書いてあります。
 でも、とにかくカードスロットがついていて、今まで買い集めたフォントのうち、少なくともベクトルフォント達は使ってあげれそうです。ドッドフォントのカードが使えるのかどうか、いっちょ賭けをしてみようと思いました(たいがい、このテの賭けには、いつも惨敗するのですが)。
 結論から言うと、OASYS LX-4500でも、48dot系のドットフォントは使えました。しかも見てくれも「言われなければ品質が悪い事に気がつかない」程度に良かったのです。きっと、フォント展開ICがかなり優秀な代物だったのでしょう。考えてみれば、文書中で活字の大きさを自在に変更できるのですから、60dot系のドットフォントを使ったとしても、この様な優秀なフォント展開ICを使わないと、見てくれが悪くなると言う事なんです。実際、30シリーズでは、ドットフォントの拡大縮小はあんまりよろしくなかったんです。この辺は一生懸命開発したのでしょうね。

 互換性が完璧とは言えども、30シリーズが終わってしまい、LXシリーズが始まっていたので、長く使う事を考えて安くても30シリーズには手を出さない事にしました。そして、LXシリーズで中古でそこに積んであって一番安いものを、と言う条件でLX-4500に決まったのです。もう1万円足せばモデム内蔵だったのですが、インターネットはワープロの仕事じゃないだろと思って、そちらには手を出しませんでした。
 パソコンは所詮はアメリカ製の概念の機械なので日本人には合わない、日本人にはワープロがあるのだ、と言った感じでワープロが発展して来たのですが、そのワープロがパソコンに負けじとばかりに、どんどんパソコン化して来ていて、何だかよくわからない製品になって来ていました。OASYSでも30シリーズは本当に純粋にワープロなのですが、LXシリーズではどんどん、ワープロ機能はたくさんある機能の一部になり下がって行ったのです。OASYS LX-4500は、そんな過渡期な製品に当たります。

 LX-4500は、タッチパネルで手書き入力、カラー液晶、カラー印刷、カラースキャナーも内蔵されています。
 ワープロ以外には、住所録、健康管理、お絵描きソフト、ビデオキャプチャー、表計算、スケジュール、データベース、パソコン通信、ウエブブラウザ、キーボード練習にミニゲームやスクリーンセーバーまでついています。(このミニゲームやスクリーンセイバーや壁紙が、結構楽しい優れ物です)
 JPEG画像を扱う事ができ、MS-DOSのフロッピーディスク(=Windowsのフロッピーディスク)をそのまま読み書きする事ができました。
 これだけの事をこなすには、CPUには相当の能力が必要で、LX-4500のCPUはVM Technology社のVM867Sと言う16bitCPUなのですが、クロックが50MHzもあるので、動作はものすごくキビキビしています。

 年賀状は2回、このOASYS LX-4500で作りました。住所印刷だけなら今でもOASYS LX-4500にやらせています。
 この後、ワープロは機能的にパソコンに真っ向から戦いを挑んで玉砕し、OASYSに限らずワープロそのものがこの世から消えてなくなる事になります。

 OASYS LX-4500で使っているCPUのメーカーVM Technology社については、嶋正利と言う名前で検索してみて下さい。(VM Technology社はすでに存在しないので、検索しても何も出て来ません)
 嶋正利氏は、世界初のCPUである4004を開発した人です。4004開発後にIntel社に入社して8080を開発、ZiLOG社に移ってZ-80を開発、日本に戻ってVM Technology社を設立しました。
 VM860シリーズは8086を元にしたVM Technology社のオリジナルCPUで、ワープロ等で広く普及していた様です。つまりOASYS LX-4500の頭脳は、国産だったんですね。