2001-10-12

FP-1100

FP-1100
出逢 発売 メーカ CPU Clock Memory OS
1983 1982 CASIO Main 日立製
Z-80Aコンパチ
4MHz 64kB BASIC
Sub μPD7801G 2MHz 48kB

 買う時はFM-7と天秤にかけていました。カタログスペック上ではさほどの違いを感じなかったためです。しかし、購入してみて驚く事がたくさん出て来ました。
 何と言っても、速度の遅い事、遅い事。FP-1100の一大特徴である「10進演算」。普通のパソコンがビット操作だけで演算をしているのに対し、10進演算ではケタを借りる時に「プラス6補正」だの「マイナス6補正」だのをしなければならず、そのために恐ろしいまでに速度が遅くなっていたのでした。
 CASIOは電卓屋さんなので、「値段と計算精度」に関する社内規格があり、パソコンの値段の製品を出すには、パソコンの誤差だらけの計算精度(2進数と10進数との変換で、誤差が発生するのは、パソコンの宿命なのです)ではダメだ、と言う事で、10進演算を採用する事になった、と言う事らしいのです。
 さらに、画面描画に使用されていたサブCPUがNECのオリジナルCPUで大変扱いずらく、メインCPUとサブCPUとの間でデータをやり取りするのも超裏技を使わなければならず、ちまきには手が出ない。パレット機能がない、タイルペイントもできないで、お絵描きするにはとても使いにくかったです。
 そんな扱いにくいマシンだった上にとてもマイナーだった事も手伝って、雑誌にプログラムが載る事がほとんどありませんでした。そこでちまきは、ひたすらPC-8801やFM-7のプログラムを移植しまくっていました。
 でも、相対座標と言う概念があり、同じデータを大きさを変えて自在に表示する事ができたし、10本のプログラムを一度にメモリーに入れてキーひとつで切り替える事ができたし、他にはないなかなか使える機能もあって、大変個性的で面白いマシンであった事には違いはありません。今でも根強いファンが多いのも、うなづけます。
 ちまきのFP-1100は、買ってすぐに数十回に一度しか起動しなくなってしまい、サービス送りになりました。サブCPUが腐っていたとの事で、帰って来ました。
 今にして思うと、やりたかった事とできる事とにギャップがあり、そんなには活用しなかったなぁ、と思います。