FM77AV
出逢 | 発売 | メーカ | CPU | Clock | Memory | OS | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1985 | 1985 | FUJITSU | Main | MBL68B09E (6809) |
2MHz (1.6MHz) |
192kB | BASIC |
Sub | MBL68B09E (6809) |
2MHz (1.6MHz) |
96kB |
元々はFM-77L2を買う予定だったのです。FM-7でもよかったのですが、FM-7にフロッピィドライブをつけるとFM-77L2よりもかなり高くなるので、FM-77L2を買う決心をしていました。所が大須のマイコンテックに行ってみると、そこはFM77AVの発売前夜。値段もFM-77L2の半額近いとなると買わない手はありません。そこでちまきは発売日前にFM77AVを買ってしまったのでした。
自宅のテレビが偶然にも21ピン入力がついていたので、FM77AVのモニターは購入しませんでした。プリンターは1年位経ってから買った覚えがあります。1989年頃になるとオプションボードも色々値下がって来たので、その時になって日本語ボードやビデオデジタイズボード、RS-232Cボードなどを取りそろえました。
デジタイズボードを購入したため、テレビからRGB出力の線を引き出してつないでみたのですが、信号のレベルを合わせる事ができずに、結局デジタイズはできませんでした。デジタイズカードはしばらくただの電熱器になっていましたが、1991年頃に中古屋で値崩れしたFM77AV用モニターを見つけて購入、念願のデジタイズができる様になりました。
RS-232CにはSONYのIT-V1200と言うモデム(MSXシステムを内蔵した「インテリジェントモデム」と言う代物で、これ単体でBBSホストマシンとして使えた)を接続、自サークルのBBSを運用する一方、NIFTYや西武所沢ネットワークなどに出没していました。
よく使ったソフトと言えば、PN-101IIと言う市販のワープロソフトを自分で色々改造して小説の執筆にこき使っていました。
FMグラフィックエディター(富士通)でお絵描きも盛んにやり、毎年の年賀状もAVで作画して印刷していました。
通信ソフトは、最初はFMテレアクト/AV通信(富士通)を使っていたものの、こいつがとんでもない欠陥品で、日本語表示のスクロールが目を見張るほど遅くて通信の速度に追いつかず、そのうち画面の文字が大化けする始末。後にNIFTYでJunTERMと言うフリーソフトを発見、すぐに乗り換えました。JunTERMは通信部分はもとより、付属のエディターもかなりの優れ物で、このソフトのおかげでちまきのFM77AVの寿命もかなり延びたのではないかと思います。
故障歴はありませんが、あえて言うなら、BBS開局の1週間前に電話線に落雷があり、RS-232Cボードが焼けてしまいました。修理に出した所、保障期限などとっくに過ぎているのに、無償で修理してもらって感激した覚えがあります。
もうひとつは、FMテレアクト通信のディスクに書き込まれていたコピーガード信号を誤って上書きしてしまって使えなくなり、稲城市の富士通のソフトセンターに郵送して交換してもらった事がありました。
FM77AVの一大特徴は、何と言っても音と絵。それまでのパソコンと言えば、音はPSG音源(初代ファミコンと同じ)、絵は8色×横640×縦200だったのですが、FM77AVではFM音源(3和音位の頃のケータイ電話と同じ)を乗せ、4096色×320×200の画面を持っていました。画面に線を引くのをCPUの仕事から切り離して専用ICでもってハード的にこなしていたため、線引きと面塗りは、まばたきする間もない位高速でした。
これだけ斬新な機能をてんこ盛りにしたにもかかわらず、FM-7仮互換モードや完全互換モードも搭載していて、知人達とのソフトの交換や市販ソフトのラインナップにも不自由は全く感じていませんでした。
なぜFM77AVが4096色も表示できて画期的だったのかと言うと、このパソコンがホビー用では初めて8ビットの壁を破ったから、と言う事になります。8ビットのパソコンで使われているCPUには、16本のアドレス信号線しかなく、そのために64kBのメモリーしか扱う事ができなかったのです。そのために8色が限界だった(8色×640×200=48kB)のです。そこでFM77AVではMMR(メモリー・マネジメント・レジスタ)と言うシステムを導入。CPUとメモリーとの間にこのMMRなICを入れて、必要なメモリーのみをCPUに見せる事によって、64kBの制限をとっぱらい、最大256kBのメモリーが扱える様になったのです。
ただし、FM77AVに搭載のMMRは動作がトロくて、CPUにウェイトがかかってしまい、2MHzのCPUなのに1.6MHz動作になってしまうと言う欠点を持っていました。そのため、描画以外の部分では実はFM77AVは動作が遅かったのです(FM-7完全互換モードなら、ちゃんと2MHzで動作。ただし描画は遅くなる)。発売を急いだあまり開発が間に合わなかったのか? FM77AVの後継機ではこの欠点はなくなっていました。
FM77AVのもうひとつの特徴の、テレビ画面へのスーパーインポーズですが、これは別にFM77AVの機能と言うわけじゃなくて、21ピン端子を持ったテレビの側の機能なのでした。専用モニターではなかったちまきでも、スーパーインポーズは何の支障もなくできたので、よく「ニュース見ながらパソコン通信」なんてのは、日常茶飯事でやっていました。
その他の特徴としては、ワイヤレスキーボードがありました。最初の頃は面白がってワイヤレスで使っていましたが、電池が鬼の様になくなって頻繁に交換しなければならない事に気がついて、それ以後はワイヤレスで使う事は全くなくなってしまいました。
このワイヤレスキーボードはやっぱり不評だったのか、後のAVシリーズにはついてなかった様な気がします。最近になってワイヤレスキーボードが流行って来ていますが、懐かしく思うと同時に「どうせそんなもん、使い物にならないよ」とか横目で見ていたりします。
ヴァージョン | 概要 |
---|---|
V3.0L10 | FM-7に付属の5インチFD用のBASIC。これを使えばFM77AVもFM-7として動作する。 |
V3.0L20 | V3.0L10を3.5インチFD用に最適化したもの? |
V3.3L10 | FM77AVに付属のBASIC。4096色。日本語は使えない。 |
V3.3L12 | V3.3L10のBugFIx。描画関係の修正。プリンタードライバーに付属。 |
V3.3L13 | V3.3L12のBugFix。スタック関係の修正。困っていた所を誰かからもらった? |
V3.4L10 | FM77AV40用のBASIC。日本語対応。FMテレアクト通信の中に入っていた。スクロールが劇遅。 |
V3.3L30 | FM77AV20EX用のBASIC。日本語対応。V3.4のスクロールの遅さは改善されていた。 |
※ V3.5(FM77-L4用のBASIC)は、見た事があるだけで、自分で操作した事はないです。多分AVでは動かないのではないかと。 |
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