2001-10-12

PC-8001

PC-8001
出逢 発売 メーカ CPU Clock Memory OS
1979 1979 NEC μPD780C-1
(Z-80A)
4MHz 16kB BASIC

 この頃、ソフトと言うのは、自分で作るか、雑誌に載っているリストを打ち込むかしか、入手方法がありませんでした。…もちろん市販のソフトもあるにはあったのではないかと思うのですが、きっと高価だったのだろうと思います。
 パソコン本体をハードウエア、本体に乗せるプログラムをソフトウエアと呼ぶのに対して、紙の媒体の事をペーパーウエアと呼んでいた覚えがあります。
 プログラムの打ち込みは、3人がかりでした。ひとりが読み上げ、ひとりが打ち込み、もうひとりが画面確認の、共同作業でした。来る日も来る日も大量に打ち込み続けたために、特に勉強した覚えもないのに、いつの間にか自然にBASICがわかる様になっていて、知らない間にプログラムを作る技能も身についていました。
 N-BASICのVer1.0が入っていましたが、こいつの変なバグに悩まされていました。プログラムリストを画面に表示する時、画面の一番右端の1文字を表示し忘れる、…そのままリターンキーでも押そうものなら、その1文字を削除した状態でRAMに書き戻してしまうと言う困ったちゃんで、このバグを回避するために、打ち込み中に右端にカーソルが来たら、スペースキーを5〜6回叩き込んでいました。何年も経ってからその事をNECに聞いてみた事があったのですが、N-BASICはすぐにVer1.1になり、ROM交換をしていた、との事。そんなニュースも全く耳に入って来ないほど、この頃はおおらかな時代だったのですね。
 色は8色だったものの、1文字単位でしか色を変える事ができず、画面いっぱいに円を描けばギザギザの妙な図形にしかならず、それだけ画面関係は貧相でした。モニターにはご家庭用テレビを使い、入出力装置はテープレコーダーを使う、日本初のパソコン(この頃はまだマイコンと呼んでいた)は、そんなマシンだったのですね。
 こんなマシンでも、ギャラガとかスタートレックとかを打ち込んでは、遊んでいました。
 5年ほどして、オーナー宅に遊びに行った時、そのマシンがまだ現役で活躍していたのを見て、驚いた記憶があります。