2005-08-05

ちまきって何?

「ちまき亭」と言うサイト名を冠しているのにもかかわらず「ちまきについての話題がなにひとつないのは気の毒?」なんて事を思ってしまいました。そこで急きょ、このページを作りました。
 詳しい歴史とかレシピとかは、専門のサイトに任せるとして、ここでは、大ざっぱなツボを押さえてあります。ちょっとだけお勉強して行っていただければ幸いです。

ちまきの分類

 ちまきには大きく分けて、次の2種類があります。私もちまきと名乗るまでは、思いっきり混同していました。これを機に、皆さんも区別できる様になりましょう。

日本のちまき

起源

 ちまきは、元々は、武士が戦をする時のための、携帯食&保存食として考案されたものの様です。(上杉謙信が考案か?)
 竹には抗菌作用があるのは皆さんご存知の通りでして、その笹の皮でオニギリを包む事によって、腰にぶら下げる事ができ、なおかつ数日は保存も効く様にしたと言う事の様です。

作り方と味

 三角形になる様に編んだ笹の皮の中に米(orもち米)を入れてしばり、水にひたして米に水を吸わせた後に、ゆでます。時には塩味をつけた事もある様ですが、基本的には米だけの中身なので、笹の香りがするオニギリと言った所でしょうか。
 水をひたす前の状態でいくらでも作り置きができ(お手玉状態?)、必要な時に一気にゆでて配ればいいので、まさに戦のための食料です。

笹だんご

 似た食べ物に笹だんごがあります。
 ヨモギ入りの餅をついて、中にあんこを入れて、笹の皮で包んだもので、皆さんもおなじみの味です。
 この笹だんごが「戦の時の携帯食&保存食として考案された」と至る所で紹介されていますが、わざわざ餅をついてあんこを練って包む様な手間な事を、戦のどさくさな時にしていたとは到底思えません。おそらくちまきの変種として、平和な時に笹だんごが作られる様になったのではないかと、それを上杉謙信の発明品と言うキャッチフレーズで近代の和菓子屋さん達が宣伝し始めたのではないかと、私は思います。

(笹だんご風な形の)ちまき

 さらにさらに似た食べ物に、三角ではなくて縦長の、一見笹だんごに見える形のちまきもあります。
 上新粉ともち粉とを練った物を笹の皮で包んで蒸したもので、笹の香りがする甘いだんごもちで、これまた端午の節句が近づくと瞬間的におなじみになる味です。
 日本古来のオーソドックスなちまきは、あくまでもオニギリなので、それが菓子のごとく変化して行ってこの様なものが誕生する事になったのではないでしょうか。

 広い意味では、笹だんごも三角ちまきも笹だんご風なちまきも、同じ日本ちまきの仲間として、ひとくくりにしてしまっても構わないと思います。

遠州ちまき

 形は縦長なのですが、中身はほとんど中華ちまきと同じものです。
 具と、水に浸しておいたもち米を、米に火が通るまで炒めます。しょうゆで味を整え、炒め終わったら笹の皮で包んで、蒸します。
 笹の皮による密閉が完ぺきなら、夏場でも1週間、冬なら1か月程度の保存が効くそうです。携帯食&保存食として、端午の節句のお供として、静岡に根付いていた様です。

中国のちまき

起源

 最初は、竹筒に米と具と水を入れて焼いていたのではないかと思います。竹筒の中身は、ほこほこの炊き込みごはんに仕上がります。
 きっとそのうち、笹の皮で包む方式に変化して行ったのではないでしょうか?

 楚の時代の屈原と言う政治家の命日(5月5日)をとむらうために、ちまきを作る様になり、縁起物として中国文化に根づいて行ったものの様です。

作り方と味

 具をしょうゆで煮込み、水を吸ったもち米をいためた後に具の煮汁を吸わせ、具と米を合わせて三角形になる様に編んだ笹の皮に詰めて、蒸します。
 詰める具材には特に決まりはなく、お好みで何をぶち込んでもよく、多種多様なちまきが家庭の味や地域の味になっている様です。
 中華ちまきは日本のちまきと形こそそっくりなのですが、中身はまるで違っていて、立派な一品料理になっています。具の濃厚な味が染み込んだほこほこもちもちな炊き込みごはんは、神戸(or横浜)の中華街の立ち食いのお供に、欠かせません。

端午の節句とちまき

ちまきの日

 端午の節句にちまきが食される事が多いので、5月5日が「ちまきの日」として制定されています。

なぜちまきを?

 これは、中国での屈原の命日と、日本での端午の節句とが、たまたま同じ日だったために、「端午の節句にちまきを食べる」と言う風に、ふたつの風習がくっついてしまったものの様です。
 この日にちまきを食べるのは、中国での縁起かつぎの風習から来ているので、食べるべきちまきは中華ちまきでなければなく、日本ちまきでは食べる意味がありません。
 でも昨今では、日本ちまきだけではなくて、中華ちまきもスーパーに行けば売っていますので、心配無用ですね。

たつもとちまき とは?

 私のハンドルネーム「たつもとちまき」ですが、かれこれ15年以上も使っているハンドルになります。
 元ネタは、豊島ゆ〜さくさんの漫画の主人公の名前からいただきました。
 ですから、食べ物の「ちまき」とは、何の関係もありません。
 サイト名の「ちまき亭」も、かれこれ使い始めて13年以上になります。でも、やっぱり、食べ物とは何の関係もないです。紛らわしい名前で申し訳ありませんでした。