発芽玄米を作ろう!
〜 発芽玄米の作り方 〜
何年か前に、新聞だったかテレビだったかで「発芽玄米は体にいい」とか言う言葉を聞いて「そりゃそうだわな」と単純に思ってしまいました。まだ発芽玄米が世間では全く知られていなかった頃で、作り方はもちろん、どこに売っているのかも皆目見当もつかなかったちまきは、試しに自分で作ってみる事にしたのでした。
我が家は普段は7分づきのお米を食べています。農協でお好みについてもらっているのですが、その時に「ちょっとだけ玄米でちょうだい」と言ってわけてもらい、玄米もたまには食べていました。ですから、たまたま玄米が手許にあったわけで、思い立ったらすぐに実験ができたのでした。
収穫の時に強力な乾燥機に入れられて熱風を当てられ、工場でモミガラをはがされてしまっている玄米が、はたしてまだ生きているのかどうかが心配だったのですが…。
結果は、試行錯誤も何もありませんでした。それほどまでに非常に簡単だったのです。それ以来、我が家では毎日発芽玄米を食べています。
所が、発芽玄米があまねく世間に知れ渡る様になって、その辺でも売られる様になりましたが、高いですよね、とても。一度試しに買ってみた事ありましたが、高い上に美味しくないし…
と言うわけで、このページの登場となりました。
あきれる位に、とっても簡単です。一度お試し下さい。
発芽玄米が体にいいワケ
玄米とは、ぶっちゃけた話、イネの種なわけです。
種は最初は、何かを取り入れたり光合成したりはできないので、成長に必要なものは全て種の中だけで何とかしなければなりません。種は発芽しようとする時に、種の中のでんぷんを使って体に必要なありとあらゆる物質を作り出します。その色々な物質が、ひいては人間の体にも必要な物質がそろい踏みなんだよ、と言う事なのですね。
発芽ものは、どの食材でもたいがい栄養豊かです。もやしとかが代表格ですよね。
発芽玄米のお値段が高いワケ
でも、いくら体にいいとわかっていても、お値段が高ければ結局は食べずじまいです。
発芽玄米、最近ではスーパーでも普通に見られる様になりましたが、高いですねぇ〜。とてもじゃないけど毎日は食べれませんね〜。
どうしてあんなに高いのでしょうか?
自分で作ってみるとよくわかる事なのですが、発芽玄米ってのは、非常にナマモノなんです。水に浸して水々しくなった状態で腐りやすいし、発芽してしまっているのだからどんどん成長を続けています。そんなデリケートなナマモノをあまねく流通させようと言うのですから、鮮度落ちしない様に加工したり(もう一度乾燥させてみたりとか)包装したり(真空包装してみたりとか)運んだりが普通のお米とは比べ物にならない位、コストがかかってしまってるんでしょうね。
だから、炊く前の発芽玄米とは違って、炊いてしまった後のレトルトな「発芽玄米ごはん」とか「発芽玄米粥」とかは、白米なレトルトごはんと比べればそんなには高くないです。(炊いていないお米と比べれば、かなり高いですけど)
自分で作るとなると、………作った先から炊飯器に入れて行くわけですから、そんな保存だの特別な包装だののコストは全くかかりません。
市販の発芽玄米は塩分が多い!
普通に炊いて食べる分にはわからないのですが、市販の発芽玄米を何かの料理に使うと、味付けが異様に塩辛くなる事に気がつくはずです。
味ご飯を味付けする時の事を思い出してもらうとわかりますが、炊いたご飯は、よほど塩気を多くしないと塩味を感じません。だから、市販の発芽玄米の塩味には気がつきにくいのではないかと思います。
実は、市販の発芽玄米の多くは、発芽の時にカビたり発酵したり腐ったりしない様に、水ではなく塩水につけて発芽させているらしいのです。管理を簡単にするためにやっている事で、工業製品ならではの宿命なのでしょう。
パッケージの栄養成分表を改めてよ〜く見てみて下さい。普通の白米と比較して発芽玄米の塩分が倍もあったりして、びっくりしてしまいます。
ただでさえ普段から摂り過ぎ摂り過ぎと言われている塩分。健康のためとか言って発芽玄米を食べると、それだけ余分に塩分を摂ってしまう事になり、これでは一体何が健康のためなのかが、よくわかりません。
これが自宅で手作りの発芽玄米なら、そんな心配もないのです。発芽させる時に、水の中に塩を入れなければいいだけの話ですから。
(塩分を使用しているメーカーの方が、薬品や添加物を使用しているメーカーよりも良心的ではあります)
玄米の手に入れ方
ちまきは農協で買っています。玄米をその場で精米してくれるサービスをしているので、いつも食べてるお米を精米してもらう時に「玄米をちょっとだけ小分けして」と言っているだけです。店頭精米サービスしている所なら、どこでもこころよく引き受けてくれると思います。
スーパーにも玄米が売っている所がある様です。でも、量が多くて、いつまで経っても食べ切れないので、ちまきは敬遠してます。玄米である事には変わりはないので、店頭精米サービスをしているお店に心当たりがない人とか、遠くてめんどくさい人は、スーパーで買って来てもいいでしょう。(スーパーで買うと、なぜか白米よりも高い様です)
発芽玄米の作り方
簡単です!
- 玄米を水につける
- 発芽したらお米に混ぜて炊く
いや、本当にこれだけなんです。
…って、それだけじゃ説明になっていないので、詳しく書きます。
- まず、ジャムのビンでも何でもいいので、空きビンを調達します。フタ付きのものの方がいいでしょう。
- その中に玄米を入れます。量の目安は、多くてもいつも炊いているお米の1割。いきなりたくさん作るのではなく、ごく少量から始めて、食べ慣れるに従って割合を増やして行って下さい。
- 玄米の入ったビンに、水を入れます。フタがあるならフタを軽くしめます。(フタは、ホコリ進入を防ぐため。それ以外には深い意味はないです)
- 室温なら、夏なら半日〜1日、冬なら2日〜3日ほどで、発芽します。
![]() こんな感じに水につけてみる |
![]() 発芽した頃。少々濁っているけど大丈夫 |
![]() 左が玄米、右が発芽した玄米。 |
- 注ぐ水を、人肌程度のぬるま湯にすると、発芽がその分安定します。ぬるま湯を注いだ後は、そのまま自然に冷めるに任せて構いません。ひと手間加える余裕があれば、お試し下さい。
- 浮いている米粒があると、その米粒はカビてしまいます。指でつついて沈めてしまいましょう。
- 水につけてしばらくすると、アワが出て来たり水が白く濁って来ますが、臭いが気にならない程度なら大丈夫です。
- 温度が高すぎたり日が経ちすぎると、白く濁りすぎて、臭いがし出します。日本酒に似た不愉快でない臭いなら、多分、お酒になり始めの状態じゃないかと思うので、食べても大丈夫だと思うのですが、炊いた時に臭いがきつくて美味しくありません。ガシガシ洗ってから炊けば、臭いは減らせます。
- 日本酒の臭いを通り越して、思わず眉間にシワが寄る様な臭いなら、それはもう腐ってます。いさぎよく捨てましょう。(今まで嗅いだ事がなくても、一度嗅げばすぐに「これだ」とわかる臭いです)
- 日が経ちすぎると、発芽状態を通り越してモヤシになってしまいます。試しに炊いて食べてみたのですが、はっきり言って不味いです。もはやお米ではなく、別の食べ物でした。
- 室温だとすぐに発酵するし、発芽してからの成長も早いです。冷蔵庫に入れるとコントロールしやすくなりますが、あまり大胆には発芽してくれませんし、見えない所にしまい込むので取り出し忘れ(「なにこれ腐ってるゥ」状態)が多くなります。(ちまき家では常時冷蔵庫の中で発芽させています)
作り置きができませんので、ビンを2〜3個用意して、炊くたびに新しくセットすると言うのを繰り返す事になります。(ちまき家では、どれが新しくてどれが古いのかを見分けるために、日付を書いた小さな紙を貼りつけています)
たまたまお米を炊かない日が続いてしまい、発芽玄米が食べ頃を過ぎてしまいそうな場合は、冷蔵庫に入れれば発芽の勢いはおさまります。(「冷凍するといい」と言う話を聞いた事もありますが、ちまきは試した事はありません)
白く濁るのがどうしても気になると言うのでしたら、マメに水を換えればOKです。他の作り方紹介サイトでは、水を交換するのが一番のポイントとしているサイトがほとんどですが、気にならないのであれば水交換の手間は省いてしまっても一向に構いません。
ちなみに、ちまき家では「手間が少ないのが長続き一番ののコツなんだ」と、水の交換を全く行わずに白く濁るに任せています。他サイトでは、水交換は雑菌やバクテリアの繁殖対策だとしている所も多いですが、生で食べるわけではないので危険はほとんどなく、気にならなければ神経質になる必要はありません。
発酵や腐敗を防ぐには?
水の中に塩を少々加えると、発酵が抑えられ、カビたり腐ったりしにくくなるらしいです。「塩分の摂り過ぎは気にしない主義だから、別にいいのだ」とか「とにかく、あの臭いや濁りが許せない」と言うのでしたら、試してみる価値はあると思います。どの位の塩梅がいいのかは、やってみた事がないのでよくわかりません。
玄米を入れている水に銅版を入れると、腐敗を防ぐ事ができると言うノウハウが紹介されている様です。銅イオンには確かに腐敗を防ぐ効果があります。しかしその反面、その殺菌作用から、銅を口にするのは健康によくないと言う話もあるので、この方法を試すかどうかは自分の価値観に従って判断して下さい。(銅は熱伝導率が高いので、鍋などの調理器具に多く使用されています)
銅版をわざわざ用意する必要はなく、10円玉を1つ入れるだけで効果はあると思います。(清潔になる様に洗ってあるなら、ピカピカになるまで磨く必要はありません)
専用の釜が発売されています
発芽玄米作成用の専用釜が3万円程度で売られています。これは電気を使って、発芽に適した温度(30℃位?)を発芽に適した時間(1日半位?)保ってくれると言う優れ物で、この釜を使えば失敗なく安定した発芽をさせる事ができるみたいです。
このページで紹介している方法だと、温度が季節によって変わるので、どうしても安定した発芽状態になはりません。でも、毎日続けるためには「気軽、かつ、簡単、かつ、お金がかからない」「別にテキト〜でもいいだろう」と言う事で、ちまき家ではかれこれ3年以上、毎日この方法で発芽玄米を食べ続けて来ました。
ただ水をひたすだけの「ちまき方式」がいいのか、専用釜を使うか、市販の発芽玄米を買って来るのか、答えは人それぞれで正解はありません。皆さんが「これなら続けられそう」と言う方法を選んで下さい。
発芽玄米の炊き方
玄米は炊くのがとても難しいですが、発芽玄米はそんな玄米のわずらわしさがありません。
玄米が難しいのは、表皮1枚多い分だけ、なかなか水を吸わないためで、そのために水加減も炊き加減もとても難しくなっているのです。
一方発芽玄米は、すでに水をタップリ含んでいるので、炊きやすいです。
- まず、いつもの白米を洗います。
- 濁り水さえきちんと切ってゆすぎさえすれば、発芽玄米は洗わなくてもいいのですが、気になるなら洗ってもいいでしょう。
- 発芽玄米を入れずに、白米だけで水加減します。
- 発芽玄米はすでにたくさん水を含んでいるので、混合比が1割程度であれば発芽玄米のために水加減を足す必要はありません。
- 水加減した白米に発芽玄米を入れて、白米モードで炊いて下さい。
要は、水加減は考えに入れなくていいと言う事と、炊き加減は普通に炊けばいいと言う事です。
市販の発芽玄米は?
市販の発芽玄米は乾燥されているので、水加減を無視する事はできません。パッケージの説明通りの水加減をして下さい。
玄米の割合が多い時は?
普段から雑穀を食べ慣れている人であれば、100%発芽玄米でも慣れれば食べれる様です。この場合、水加減は白米よりも多めになると、教えていただきました。
3割以上の割合の時も、水加減を調整する必要はある様です。
保温は?
雑穀は一般的に、保温するととても不味くなります。この発芽玄米でも例外ではなく、保温して翌朝食べようとすると、臭いがきつくてとても食べれないです。
その日に食べる分だけを炊くのが雑穀の鉄則。万が一食べ残ったら、すぐに凍らせてしまいましょう。
お味は?
独特の甘い臭みと味がします。玄米とはまた別の食べ物です。
黒米やあわひえよりはいいのですが、麦のつもりでいると痛い目に合います。雑穀を食べ慣れていない人には、最初のうちはちょっとキツいかも知れません。
白米を食べる機会がほとんどないちまきでも、発芽玄米の割合が3割を超える炊き方はしていません。

さあ、召し上がれ!